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2026/10/13

Consultants' Voices #03 伝わって、はじめて意味がある

「伝わらなければ、意味がない」

言葉の受け取り方は、人によって違います。同じ単語を聞いても、別の意味に受け取る人がいる。だからこそ、言いっぱなしにせず、相手が理解できるように伝えることを大切にしてきました。日本語でも英語でも、それは変わりません。

いま携わっているのは、大手メーカーのグループ会社にまたがるプロジェクトです。私はPMOとして参加しています。専門分野を持つプロジェクトリードは、海外と日本の両方にいます。彼らと関係各社のやり取りが滞りなく進むよう間に立ち、会議を設定し、課題を整理する。いわば全体のコーディネーションが私の役割です。やり取りの多くは英語で、チャットやメールを基本に、必要に応じて会議を開いています。

 

文面で連絡したあとでも、本当に認識がそろっているかを確かめるために、あえて会議を設けることがあります。プロジェクトは、一度ずれ始めると、その差がどんどん開いていくからです。伝わっていないと感じたら、同じことを繰り返すのではなく、言い方や説明の順番を変えてみる。最後は「いまの説明を、どう理解されましたか」と、相手の言葉で返してもらいます。相手の話に少しでも曖昧な点があれば、「この理解で合っていますか」と、その都度確かめます。

 

「まず、安心して話してもらう」

伝え方を強く意識するようになったのは、外資系IT企業でブリッジエンジニアとして働き始めた頃です。海外の開発チームと日本の顧客の間に立つ仕事でしたが、伝えたいことがうまく伝わらない経験を何度もしました。

 

たとえば「予定どおり進んでいますか」とイエスかノーで尋ねても、経緯の説明から返ってくることがあります。その背景には、責任を問われることへの不安があるのだと気づきました。それからは「あなたを責めたいわけではありません。みんなで解決するために、いまの状況をそのまま教えてください」と、まず相手が答えやすい環境をつくるようにしています。

 

マネージャーとなった今も、考え方は同じです。目指しているのは、礼儀は尽くしながらも、本音を言い合える関係。そのためには、まず自分から心を開くことだと思っています。まだ知識が十分でない領域や、経験の浅い業務については、「教えてもらえますか」と、メンバーにも顧客にも率直に聞きます。完璧な人だと思われると、相手は萎縮してしまうからです。顧客との定例会等でも、進捗の確認が済めば、世間話をすることもあります。そうした何気ない会話が、いざというときに相談し合える関係の土台になっていると感じています。

 

うまくいかない人の気持ちがわかる上司でありたい、とも思っています。「なぜできないのか」と問うのではなく、何がつまずきになっているのかを一緒に見つけ、どうすればできるかを考える。そうやって足並みをそろえられる存在でいたいのです。

 

「英語は、道具にすぎない」

前職のブリッジエンジニア時代、私が最も苦労していたのは、文化の異なる相手に意図を伝えることでした。そんなときに出会ったのが、海外のエンジニアに「報連相」をどう伝えるかを綴った、代表のコラムです。その考え方に惹かれたことが、ピーエムグローバルに入社するきっかけになりました。

 

入社後は、コミュニケーションを円滑にするブリッジとしての役割に加え、コンサルタントとしてお客様のプロジェクトを成功に導くという役割が加わりました。そのなかで大きく変わったのは、自分で考え、自分から動くという意識です。

 

仕事で英語を使うのは、いまは全体の3割ほどです。英語は、あくまでコミュニケーションの道具にすぎません。豊富な業務の知識と経験があって英語が苦手な人と、英語はできても知識や経験が不足している人。現場で頼りにされるのは、前者です。英語が流暢でも、相手の文化や考え方を理解しようとしなければ、一方的なやりとりになってしまいます。

 

反対に、英語に自信がなくても、伝えたい、理解したいという熱意と、少しの度胸があれば、案外なんとかなるものです。片言でも、大抵の場合、海外の方は理解しようと歩み寄ってくれます。もちろん、さまざまな立場の人をまとめるのがこの仕事ですから、英語はできるに越したことはありません。それでも、最後に問われるのはコミュニケーションの力です。英語を入り口に、国際感覚を磨きたい人にとって、ここは面白い場所だと思います。(おわり)

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