グローバルのヒント
木暮知之のインサイト
よくあるご質問にお答えします①
読者の中には、次のような疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。ロールプレイ研修と何が違うの?――。確かに特定の場面設定が与えられて、登場人物を演じる点はイマーシブ・リアリティ研修と共通しています。今回はその違いについてご説明します。
決まったセリフは無し。結末も自分の力で変わる
一般的にロールプレイ研修では、大まかなセリフが与えられていたり、ストーリーの流れが決まっていたりします。一方、イマーシブ・リアリティ研修では、場面設定こそありますが、登場人物の言動は受講者にすべて委ねられます。自分の決断がストーリーに影響を与え、結末を変えることもあります。
生きたコミュニケーションの実践の場
ロールプレイ研修では、ゴールまでの決まった道筋をどのようにして歩くか、コミュニケーションでいうところの言葉遣いや表情などのトレーニングができます。一方、イマーシブ・リアリティ研修では、ゴールをどこに設定するか、中間地点までどういったルートをとるか、というより包括的なトレーニングを行います。交渉を例にとると、どのようにすれば相手を納得させられるか、どこを落としどころにするか、戦術を描いて実践することが求められます。交渉場面では戦略も含めて考えますので、より現実に近いトレーニングが実施できます。
高い主体性が求められる
イマーシブ・リアリティ研修ではまず、演じる人物の性格や価値観が受講者に伝えられます。その人物の価値観を自分の中で落とし込み、自分がその人物だったらどういう言動をとるか考えることが必要になります。かたやロールプレイ研修では、演じる人物の価値観まで考えることは稀です。その人物になりきることが大切で、より高い主体性が求められます。
いかがでしたか。これ以外の違いについては別の機会にあらためて、ご説明いたします。