グローバルのヒント
Indo Watcher
第2回 インド人が難しい相手?日本人が特殊?
数か月前、在印の某日系企業のインド人に向けたトレーニングを行ってきました。その中に、インド人に「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を教える、というものがありました。さすがインド!と思ったのは、研修前に「自分たちはホウレンソウができているか?」と聞いたところ、ほぼ全員が「できている」と自信をもって答えたことです。その場に居合わせた日本人駐在員と目を合わせ、思わず苦笑い。
古来日本では、相手を察する、行間を読む、相手の真意をつかむ、などということが美徳とされており、その上にビジネスが成り立っています。「ホウレンソウ」もそうした要素が多大にあります。報告するときには相手が質問しそうなことを予測しておく、相談するときには自分の結論をある程度考えておく、など。。。
ある文化人類学の先生によると、日本文化は世界で一番High Context Cultureに分類されるそうです。要は、文脈を読みまくる文化、とでもいうのでしょうか。ちなみにインドはそれほどではないのですが、やはり同じHigh Context Cultureに属するそうです。
そうした極端な日本文化の社会を、あたかも当然のように他国に押し付けるようなことでは、グローバルな社会では生きていけないのでは、と思ってしまいます。文脈を読まないのが当然、要件に書いてなければ何もしないのが当然、くらいに思った方がいいのでしょう。
実は今回の出張で、私が尊敬してやまないあるドイツ企業の役員の方に、インドで偶然遭遇しました。彼は10年前に日本に駐在し、一緒に仕事をした方です。その彼が今、日本ではなく、インドを重要なビジネスパートナーとして仕事をしている。。。上記のエピソードと相俟って、非常に考えさせられる出会いでした。